風水の仕事をしていると、
お引越の吉日や吉方位をご相談されるお客様がいらっしゃいます。
もちろん、良い物件が見つかり、どうせ引越しするなら、
吉日や吉方位になるタイミングでお引越しされるのは、お目出度いことだと思います。
ただ中には、物件がまだ見つかっていないにも関わらず、
「どの方位で探せば良いのか?」「引越しするならいつ頃が良いのか?」
とご相談される方がいらっしゃいます。
それはそれで良いのですが、
本来は、家族が住みやすい立地や環境、また金額面を優先に考えるべきなのに・・・。
また、方位さえ良くすれば、人生が良くなると考えていらっしゃる方がいるようで、
何か優先順位が違うような感じを受けることがあります。
吉方位だとしても、不便な場所だと、逆に住み難くなるのは目に見えています。
またご相談の中には、風水や方位の本を読まれたり、占い師さんにご相談されたことで、
返って方位や時期を気にし過ぎて、動けなくなり、不安に感じている方もいらっしゃいます。
このような方の場合、
「家を買ったのだが、本によるとその方位は今年、凶方位で行ってはいけないと書いてあり、どうしたら良いでしょう?」
「お金の関係上、2ヶ月以内に引越しないといけないのに・・・占い師に相談すると、今年は動いてはいけないと言われてしまって、どうしたら良いでしょう?」
という例が多いです。
そこで今回は、私なりに考える、方位や時期の考え方を書いてみようと思います。
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まず、そもそも論で、
方位や時期をそこまで大事にする必要があるのか?という疑問があります。
古代から受け継がれる運命学の世界では、
人間の運命を決定するものとして、以下の5つが大事だとされています。
1、命
2、運
3、風水
4、読書
5、陰徳
「1・命」とは、オギャーと生まれた瞬間に決定づけられるものです。
生まれた瞬間の生年月日時により、その人がどのような人になるのか?
どのような気質・性格・行動パターンをしているのか?が決まります。
植物に例えるなら、「種」のことであり、
生まれた瞬間に、その人が「バラとして咲く運命なのか?」「タンポポとして咲く運命なのか?」「霞草として咲く運命なのか?」が決まります。
結果、バラとして生まれた人は、派手やかに目立つような存在になります。
タンポポとして生まれた人は、派手さこそないですが、優しさ素朴さを感じさせます。
また、霞草として生まれた人は、ちょっと寂しさは漂いますが、
無くてはならない存在感を発揮します。
ただこれは、生まれた瞬間に決定づけられてしまいますので、
タンポポさんが、バラさんに憧れても、今世ではバラさんには一生なれないのが運命です。
逆にバラさんも、タンポポさんになることはできない、一種、宿命的なものを表します。
よって、スタートの時点で人生はある種決まりますので、
この点は、無いのは諦め、自分らしい「オンリーワン」を目指す方向が正しい生き方です。
皆がみんな、長嶋さんや王さん、イチローさんみたいな、スーパースターにはなれないです。
「2・運」ですが、これは植物で言えば「季節」のことを表します。
長い人生の中で、いつその人なりの春や夏を迎えるのか?
「30代に花が咲くのか?」「40代に花が咲くのか?」
はたまた「80代にならないと咲かないのか?」が変わってきます。
占いの格言では、「命の良きは、運の良きに如かず」とありますが、
バラとして生まれても、花が咲かなければ意味がありません。
一番良い時期に、その人なりの花が咲くのが、一番幸せな人生だと言えます。
例えば、お金・人気の花を咲かせた例ですが、
人気子役でデビューした安達祐実さんなどは、
やはり幼少期に金運が巡っていましたので、子役として大ブレークすることが出来ました。
また面白いのは、オネエタレントのはるな愛さんなどは、
2007年&2008年から色気の花が咲く季節が巡ってきました。
その時期になって、今までの努力の種が実を結び、
世界グランプリや芸能人としての長期的な人気を誇れるようになった次第です。
まあ、普通の人は、有名人・芸能人のような派手さ・極端さはないですが、
誰の人生においても、
このような花を咲かせるタイミングというのは、存在します。
よって人生の中では、
自分ではどうしようも選べない、「1に命」「2に運」が、
一番大事な働きを与えているわけです。
ただ現在、残念な時期だったとしても、ある程度、自分で好転させることも可能です。
その方法が、3・4・5・・・・となるわけです。
「3・風水」ですが、これは家の風水だけでなく「環境全般」を表します。
家の風水だけでなく、家庭環境、職場環境、学校環境・・・・などなど、
あらゆる周辺環境が、その人に良くも悪くも影響を与えます。
この風水は、植物に例えると「土壌」ですから、
風水を良くすると、同じ種を植えたとしても、育ち方が異なります。
タンポポでもバラでも、活き活きと咲き誇ることが出来るようになり、
その人らしさ、その人のポテンシャルを、最大限発揮できるようになるということです。
ただし、風水=土壌を良くしたとしても、品種改良は不可能です。
貧乏になる運命の人をそこそこには出来ますが、
その人が億万長者になるようには変えられません。
その人毎に持って生まれた器までは変えられないのが、風水の限界です。
「4・読書」というのは、勉強や努力をしようという意味で、
植物では、より良い育て方やその植物にあった肥料を日々「研究」したりすることです。
また、その植物に十分に栄養が行き届くように、無駄な雑草を抜く努力を表します。
自らの行い、やり方次第で、世界は変わっていくということを述べています。
ですので、
勉強&努力というのは、どんな環境の人でも、誰でもが出来る一番の開運法だと思います!
「5・陰徳」は、人として良い行いをしていこうよ!という戒めでもあり、
またより良い行いをすることで、来世、良い運命に生まれて来られるよ、と云っています。
やはり、人に悪いことをすれば、悪いことは返ってきますので、
正しく生きる、正しく人と接する、ということは大切な行いなのだと思います。
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っと、ここまで、運命学的に大切な事柄を記載しましたが、
ここには、方位を取ろうとか、吉日を選ぼうなどとは書かれていません。
方位を取るとか、吉日を選ぶというのは、開運法の一つの方法でしかなく、
運命学全体の優先順位としては、少々下の方に位置していると思います。
ですので、吉方位を取っているからと言って、
それだけでは決して幸せにはなれないと私は思います。
日本では、方位と言えば「気学(=九星気学・九星術)」が有名です。
これは日本生まれの占いとされていて、古くからやられている占い師さんなどは、
こぞってこの気学を大切に考え、お水取りや砂取り、引越方位選びに利用します。
ただ、方位を取る手法・占術は、世界的には他にも種類があります。
他にも存在するということは、その日その時で、吉方位自体が占術によって異なります。
気学なら北が吉だけど、奇門遁甲なら南が吉、ということもざらにあり、
何を信じて良いのか?正直分からなくなることも有り得ます。
結果、相談する占い師によって話が変わってくるのが、方位の実際だと思います。
以前、ある有名占い師さんの講演チケットを頂き、聞きに行ったことがあります。
その方が、「私は五黄殺に引越したから、離婚したんです。」と仰っていましたが、
聞いてて、「それだけで離婚するかな?性格じゃないの!?」と思ったこともありました。
もちろん、五黄殺とか暗剣殺とかを否定はしませんが・・・
「五黄殺に旅行に行ったから、ニューヨーク大停電に巻き込まれた!」とかって、
あなたの方位取りだけで、ニューヨーク中が大停電になるかよ!!とは思います。
ですので、方位をこじ付けて何でも考えてしまうのは、良くないことだと思います。
また吉方位・凶方位を意識すること自体は構わないとは思いますが、
吉方位だからと言って、
住みづらい、仕事がしづらい環境に引越するのは、本末転倒だと思います。
以前、引越相談されたお客様で、
「過去4・5回、いずれも吉方位に引越したのに、幸せではない・・・」
という方もいらっしゃいました。
ですので、吉方位というのは、選べれば選べるに越したことはないですが、
それだけで人生を決定づけるだけの力はないと思うのが、私自身の感想でもあります。
また私自身の実感でもありますが、
2年前に引越した際は、気学でも奇門遁甲でも、いずれも凶方位に引越しました。
友人の占い師からは、「保坂君は今年、引越ちゃいけないんだよ〜」と言われましたが、
現在、特に大きな問題は起こっていないですし、
風水が前より良くなったからか?今の方が仕事も順調に進んでいるように感じています。
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また引越する時期について。
確かに、何かのアクションを起こす場合には、良いタイミングで行いたいものです。
時期・タイミングを選ぶというのは、要は、新たな誕生日を設けるためであり、
自分の誕生日以外に、
●お店のオープン日=お店の誕生日、
●結婚式の日=夫婦の誕生日、
●引越日=この家での生活する誕生日
と言う意味で、新たな門出として大事なものではあると思います。
この誕生日に新たなアクションを起こすというのは、
平坦な時空の流れに刻印を押すようなもの!
人生の中で一番大きな刻印を押されたのが、生まれてきた瞬間です。
産道を通り、陰の世界から陽の世界に出てきた出産の時は、流石に大きなイベントですので、
一番人生で大事な「1・命」の力を作り出すわけです。
中国などでは、お店の開店日に爆竹などを鳴らしますが、
あれも新たな開店日=誕生日に、爆竹をバチバチ!と鳴らし、
時空に「誕生」の刻印を押すのが目的です。
またお国によっては、結婚式の当日に初めて新郎と新婦が出会うということがありますので、
結婚式のインパクト!刻印押しの力は強くなります。
ただこの日本の場合は、正直、時期選びの効果は、どこまで高いのかな〜?と思います。
引越にしても、内覧・採寸で何度か事前に入りますので、引越のインパクトは薄いです。
また結婚するにしても、突然出会うわけではなく、
友達→だんだん仲が良くなってきて→付き合いだし→数年経ってそろそろ結婚しようか!?→では家を探そう・・・となっていきますので、
刻印押しとしての威力としては、少々弱いようにも感じております。
また実際に、引越したので新居の風水を調整してほしいというご依頼を頂きますが、
お客様の生年月日を調べていて結構多いのが、
旦那様か奥様かの運勢のちょうど変わり目に、お引越されることが多いように感じます。
よく風水の世界では、運が悪くなる人は運が悪い家に引っ越す。
運が良くなる人は運が良くなる家に引っ越す。と云われます。
自分の運が変わるタイミングには、
今の家と自分自身の世界観・オーラ的な物との間で違和感が起こってきて、
その結果、「家を変えようかな」となっているような気がします。
そう考えると、運が良く変わる時期なら、
引越日とかは気にせず、言葉は悪いですがトットと引越した方が得策だと思います。
また運が悪くなるなら、引っ越さないか、運が上がりやすい家に引越した方が良いでしょう。
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もちろん、引越方位や引越時期は大事ではあるのですが・・・。
これらを優先するあまり、
動けない、引越できない、果ては買った家をキャンセルしようか!?などと、
本末転倒な考え方、また脅し・呪いに陥ってはいけないと思います。
本来は、家族がより幸せになり、より発展していけるように暮らすことが目的です。
そう考えると、まずは生活の利便性や暮らしやすさから考えることが大事です。
また、街やご近所さんの環境を含めた家の風水環境を優先した方が、
よっぽど人生が吉に楽しく傾くと思います。
ですので、引越方位や引越時期というのは、
ほどほどレベルで、少しだけ気にする程度に留めて頂き、
それよりも、
快適に住める素敵な環境を選ばれた方が、
より良い人生に傾いてくれると、私個人的には思います。
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